『ケーキの切れない非行少年たち』
もし、自分が他人に「こいつダメだな」と思ったことあったらぜひ読んで欲しい。
いじめ、性犯罪、虐待、これらの問題を認知機能のゆがみという観点から問題提起している本。
・非行をする少年にはどういった特徴があるのか。
・知能検査では見つからない 潜在的な知的障害をもつ人はどれくらいいるのか。
・非行をしてしまう少年の多くは小・中学校でサインを出しているのにも関わらず、なぜ気づかれないのか。
・知的障害に気づかない、気づかれないといった問題は人生や社会にどのような影響を与えるのか。
・そして、教育はどうあるべきなのか。
といったことが少年院での勤務経験をもとに書かれている。
勉強、仕事ができる人とできない人の差異の原因を努力に向ける人は多い。また、ショッキングな殺人、性犯罪が起きた際に、人間性を勝手に想像し、感情論で厳罰化を求めたりするのをSNS上で頻繁にみる。
しかし、それは安易な自己責任論である。その背景には社会制度の不備や周囲の理解不足があった可能性があり、別の視点では被害者であるともいえる。
自分のことを「普通」と感じている人ほど自己責任論を他人に押し付けやすい気がする。
もし、自分が他人に「こいつダメだな」と思った時に、その背景にある可能性について考えれるようになる1冊。